脱出|2月17日

夫という人は、少し触れるだけでも壊れてしまうほど神経が細いくせに
異常なまでに気の強い人だった。

 

なら、どうなるか。

 

知らず知らずのうちに自分を傷つけまくる。

 

傍に居て守り続けたつもりでも、
結果は出てしまった。

おこがましくも「守る」などと不可能なことを考えてしまった。

傷つけて、傷つけて死んでしまった。

 

だけど、私が居なければ、もっと傷ついて
孤独な人生を歩んでいただろうと思ってもいる。
それが、今、私が息をしている証なのだろう。

 

若い頃からずっと思っていた。
夫にはこの世は似合わない。
そして、歳を重ねるごとに
何となく違う世界に行くしかないのかもしれないと。
そんな矢先の余命宣告だった。

 

だけど、その人は私を深く理解した。
だから、私もこの世は似合わないのだろう。

 

夫と同じように違う世界に行きたくて仕方がない。

 

お願いだから、もう充分頑張ったから
この世から脱出させてほしい。

 

一年、二年、もうすぐ三年、
そんな気持ちが、どんどん強くなって行く。