抗がん剤を替えるタイミング|6月20日

夫の三年半の闘病中、
私が何を考え過ごして来たのか時々ブログを読み返してみる。
恐々、過去を覗き見するような気持ちもあって、
正直なところできれば避けたい行為でもあるけれど、
今思うと随分落ち着いて物事を考えてるな、というところもあるし、
逆に時間が経過したから落ち着いて分析できるところもある。

夫に関しては、やはり後悔は無いのだけれど、
一つ気になると言えば薬剤を替えるタイミングが早いという事。
これは大阪府立成人病センターから 休眠療法のクリニックに変わったときに
経緯を見て指摘されたことでもある。
イレッサ→タルセバ→アリムタ+アバスチン→TS1→ドセタキセル+アバスチン→ジェムザール+アバスチン→セカンドイレッサ→セカンドアリムタ+アバスチン→シスプラチン+アリムタ+アバスチン→アブラキサン+カルボプラチン+アバスチン
改めて書き出すと結構なレジメンにトライしている。
大阪府立成人病センターでも標準量では投与していないけれど、
休眠療法のクリニックでは更に比較にならない少量で試みている。
最初のイレッサが耐性に差し掛かるとき、
増大傾向を見てももう少し、もう少し、と引き伸ばした。
最初から腫瘍を無くす方向性を取らないように自分に言い聞かせていた事もあって
「もう耐性ですね」という意見にも耳を傾けなかった。
しかし、これが裏目に出て、腫瘍周辺の閉塞している肺内に細菌感染を起こし
随分長い間、肺炎のような状態が続き夫を苦しめた。
結果、次のアリムタ+アバスチンの最初の投与で更に悪化させ、
咳と痰としゃっくりの三重苦に一ヶ月以上もの入院を余儀なくさせてしまった。

二回目の投与を散々考えた末に無謀にも再度アリムタを実行した。
だけど驚くほど副作用はなく、一年近く大した副作用もなく経過し、
更に長い効果を期待できたのにイレッサ耐性のトラウマで
あまり長引かせてはならない、という思いがあって早く打ち切った感が大いにある。
しかし、人間は学習する生き物である以上、本能では動けない。
そこからは私の中に一つのガイドラインが出来てしまった。
そこを休眠療法の主治医に指摘されたけれど、
最早修正する能力は無かったと言える。

抗がん剤による治療に限界を感じた時点で、頭の中はノバリスで一杯だった。
今考えても抗がん剤を替えるタイミングは難しい。
次々に認可される薬剤と病態との相性、
先々を考慮に入れて計画を立てるレジメンの順番、
何度パソコンの中でシュミレーションしたか分からない。
いくら考えてもそれは机上論に過ぎない。

でも来る日も来る日も休むことなく守るべき人を守るために奔走した事実は、
私に少しだけ安堵感を与えてくれる。