一年に一度だけ|3月25日

3月はまだまだ寒い。
でも、暖かい風が吹き始めることを想像すると、
予想外にも明るい夫を思い出す。

隠しているつもりでも、すぐに深刻な顔になる私が笑うまでネタを繰り広げる。
思わず笑ってしまうと一緒になって笑い転げている。
でも笑ったあとで、余計に泣きそうになるから何の涙か分からなくなる。

今でも私を笑わせようとする姿が目に焼きついていて切な過ぎて悲しい。
二年前と、そんなに気持ちは変わらない。
夫が思い出の中の人になって二年が経ったけれど、
やっぱり堪らなく顔を見たいし、声を聞きたいし、傍に居て欲しい。
今、私が持っているもの、
食物や住居や生きるために必要なもの全て、
あらゆるものと引き換えにしても夫を返してほしい。
そんな思いは変わらないけれど、
唯一つ、
元気で明るく生きて欲しいと願う気持ちは裏切れないから頑張っている。
いつか会えると信じて頑張っている。

やがて桜が満開になる。
咲いてもすぐに散ってしまうその姿は、
私を一年に一度だけ励ましに来てくれる夫のような気がして、
去年は避けていた桜の花を少しだけ見てみたい気がしている。
そう思うことが出来れば毎年一度だけ楽しみができる。
と言っても大阪府立成人病センターの近くはイヤだな。

さて、どこに行こうか。