妻バカ|7月4日

私の師とする人は、
親でもなく、立派な肩書きを持つ人でもなく、
歴史上の偉大な人物でもない。
紛れも無く夫だと言える。

仕事とは、道理とは、生きるとは、全てを教えてくれた。

「結局、オレって大した仕事はでけへんかったけど、
お前だけは成功したね。最初の一年くらいは結構たいへんやったけどね」
などと言っていた。

私への教育を人生に於ける仕事の一環と捉えている。
確かに世間知らずの小娘を教育するのは大変だったと思う。
弱音を吐かない人に「たいへん」などと言われると
29年間連れ添っていても少々気になる。

でも成功したんだ。
いつも肌で感じていた。
「こいつ、どうやって理解させよかな」的なこと。
そのたびに私はどうすれば夫のメガネに叶うのかな、 と考えた。
尊敬する人には今より、もっとしっかり付いて行きたい。
上っ面では若干反発しながらも、
心底ずっとそう思って来た。

目の前の現実に流されることなく、
一人の女を自分流に創りあげることも計画的に実行する。
熱い中にも冷静さを欠かない横暴なまでの男らしさが好きだった。

今でもこの世に夫よりも魅力的な男が存在するのだろうか、
と、恐ろしいまでの妻バカを続けている。