大丈夫、大丈夫|6月22日

私がすぐに深刻な顔をするから、夫は「ダイジョブ、ダイジョブ」と
片言の日本語をしゃべる外人のように繰り返すのが口癖になっていて、
今でもよくその光景が蘇る。
まるで親が子供をあやすように私を不安から解放しようと、
その場の空気を変える努力をしてくれた。
バカな妻は、いつもそれですっかり元気を取り戻す。

思えば結婚生活は、
そんなことの繰り返しで支えられてきたような気がする。
なのに私という人間は、夫を励ますことができない。
明らかに壁にぶち当たっている人に
「大丈夫。」などと大らかな口をきけない。
そんな姿にひたすら落ち込み内向するしか脳がない。
だけど、そこで慰めたり叱咤激励するような妻とは
人生を共にはできない、
一緒に嘆き悲しみ苦しむ人が居るから頑張れる、
オレはそういう人間なのだと言っていた。

片時も心が離れることなく二人で生きた。
私達って信じられないほどお互いを必要としていたな、
って思うとやっぱりもう少し一緒に居たかった。

また始まった。

会いたい思いや会いたくても会えない悲しみは発作のように襲ってくる。
死ぬまで何回こんな強烈な想いを繰り返すのかなと考えると、
自分の存在が、ひたすら無意味に思えてくる。

大阪府立成人病センターに二人で行くたびに
「長い間、よく一緒に来てくれたな」って言ってたことをやたらと思い出す。
きのうのことのように思い出して、
病院だっていいから寄り添って歩きたくなる。