オーバーラップする|5月1日

元気だった頃と闘病中の頃の夫の姿がオーバーラップする。

華奢な体で機敏に動き、時折熱くて、時折ドライで
多弁で無口で真剣で、
お酒とタバコとJazzは永遠の友。
一方、明らかカロリーオーバーで、
おっとりしていてオモシロ過ぎて、
おしゃべり好きで仕事はキライ、
でもやっぱりお酒とタバコは止められない。
闘病中は有り余る時間、二人で聞いたビルエヴァンスやコルトレーン、
オスカーピーターソンにマルウォルドロンは、
切な過ぎて記憶から出来る限り削除した。

私の結婚生活には二人の夫が存在している。
対照的だけど、どちらとも懸命に楽しく生きた。
私って、けっこう許容範囲広かったっけ、
と思うほど病気をして人間が変わってしまった。
生まれ持った性質は後者の方だったのかな、と時々思うことがある。
素直で純朴、やんちゃで優しい子供の頃を想像する。
屈折していない人間とは周波数が合わないと言ってたけれど、
それは思い切り屈折している私への思いやりだと解釈している。
「お前って普通じゃないから、オレと相性いいねんで」なんて。
じゃあ、普通っていったい何なんだろう。
確かに世間一般の思考回路から逸脱しているところがあると、
この歳になっても常々思っている。
でも、人の道や物事の筋道、礼儀や常識には厳しい人だったけど、
そこのところを指摘されたことはない。
知り合った当時は世間知らず苦労知らずの小娘だと言われて、
少々ムカついた記憶がある。
私にもあまり思い出したくない過去もあって、
今思えばその時の私を慰める言葉だったような気もするし、
比較にならない実体験をして来た人間にとって
実際ショボイやつだと思われた気もする。

色んなことを改めて聞いてみたいけど、それも叶わない。

様々なシーンがオーバーラップして、
映画を見ているよりも劇的だと思う瞬間がある。