結婚記念日|1月20日

夫が亡くなった事をサイトにアップして、しばらく経ってから気付いた。
私達の結婚記念日は4月9日だと思っていたけれど、
戸籍謄本や抄本を区役所に取りに行っている間に分った。
夫が亡くなった日は4月10日の結婚記念日だったという事。

それくらい私の記憶は曖昧でいい加減なものだった。
結婚式も挙げていない私達にとって、
そんな記念日など敢えて記憶に留める必要性のないものとして過ごして来た。
世間一般の夫婦が慣習とするお祝いも、プレゼントもした事がない。
だけど、或いは病気になった夫にすれば最後の一年、
この日を目標に必死で生きたのかもしれない、という想いが沸々と湧いてきた。
4月10日、この日でちょうど29年。
私との結婚生活をしみじみと感じていたのではないだろうか。
私が早く楽にさせたい、と思っている間中、
あと一日生きれば.....。と願っていたような気がする。

淡々と生きているように見えて、私に対する思いやりを
力尽きるまで見せてくれたのだと思うと本当に優しい人だったな、 と噛み締める。
私にとっての4月10日は悲しいだけの日ではなく、
幸せな日だったことも忘れないようにしてくれた。
そして29年間という時間を一日たりとも欠けることなく私にくれた。

何をすればいいのだろう。
その優しさに何をもって報いればいいのだろう。
やっぱり、今でも夫のことをもっと知りたい。
もう何にも興味はないし、今更、学ぶべきこともない。
夫が29年間に何を考え、苦しみ、楽しんでいたのかを
もう一度思い起こして考えたい。
私の人生に絶大な影響を与えた人は居なくなった。
それなら、その人の事を一生考え続けても間違ってはいないだろう。

母が亡くなって2月で一年、
そしてその2ヵ月後に
息子の責任を果たし切って逝った夫の一周忌が間もなく訪れる。

緩和病棟で見た桜が、また満開になる。