奇跡の出会い|7月18日

私という人間は、
親から受け継いだひ弱な肉体と精神で構成されている。
だけど、物事の考え方は、
全て夫から教えられたものだと言える。
29年間の時間の中で、
夫の傍で知らず知らずのうちに
私の中に吸収されたものが全てだと感じる。
それでも、時折、「他人に言ったら、きっと頭おかしいと思われるけど」
と言いながら過激で支離滅裂な事を言う私に
「よく分る。俺もそう思う。だけどな....。」
この、だけどな、の後に続く理路整然とした日本語で
いつも夫は、私の戸惑いや怒りを静めてくれた。
私は、常に夫に甘えていた。
夫だけは、私の幼稚な言動を全面的に受け入れてくれた。
一人になって、よく、その場面を思い出す。

病気になってからも、何でも話した。
病状のことも何もかも悟りきっている夫には
隠す必要性は何もなかった。
だけど、一つだけ、
「お前と別れることだけが辛いな」
と言う夫に「後に残る私の方が、ずっと辛いに決まってる」
ということだけは言わなかった。
最後に、そこまで甘えることを躊躇した私の微かな強がりだった。

夫は、親なんて比べ物にならないほど、
私を理解し、受け入れてくれた。

夫婦の出会いって奇跡なのだと
今更ながら、驚いてしまう。

いい歳をして、親を亡くした子供のように
自分の行き場を失くしてメソメソしている。