お通夜と火葬|4月12日

昨日は葬儀社で用意してもらった部屋で、
一日遅れのお通夜を私ひとりでするつもりだったが、
会社の後始末もあるので税理士さんには連絡すべきかと思い電話を掛けたら、
「絶対に社長に会いに行きたい」と言われる。
私ひとりで見送るつもりにしていたし、
税理士さんが高齢でもあるし、
わざわざ来てもらうのは心苦しい旨を告げても、
「そんな訳には行かん!社長に会いたい!」と言って頂く。
そして立派なお花まで用意して頂き棺の中まで花で溢れかえった。
希薄な人間関係に常にウンザリしていた私はやはりうれしかった。
私が一旦自宅に帰った理由は荷物を置くことと、
夫が書いたと入院してから聞いた手紙を探す為だった。
自筆で書くつもりだったらしいが、
「もう、ムリやから、ベッド近くにある6台のパソコンの右から2番目のデスクトップ上にメモ

で置いてあるから」と聞かされていて、
何が何でも探したかったけれど、
その日はエラー信号が出ていて復旧するのに時間が掛かり、
止む無くお通夜の場所へ向かった。
満面の笑みを浮かべていた夫の顔が変化しているのではないかと不安だったが、
全くそのままだった。
闘病中に夫はよく 「あ~よぉ寝たぁ~。今オレ寝てたん知ってる?」
という私の中では、かなりウケる夫のセリフがある。
常に傍に居てイビキをかいて何時間も寝ているのに知らないはずがない。
ジョーダンなのか本気なのか、この言い回しをよくしていた。
今もそう言いながら起きてきそうな気がする。
その日は夫の隣に布団を用意してもらい一緒に眠った。

今にも吹き出しそうな表情に、病室に夫の顔を見に来たお世話になった看護師さん達みんなが、「こんな患者さん見たことない」と言っていた。
何度見ても、私までつられて笑いそうになる。
これは、夫が最後に残してくれた精一杯の私への思いやりなのだと思う。

緩和病棟での看護師さん達の奔走ぶりは、これからしっかり書かなければならない。

「死」は絶望の到達地点ではないことも知ってもらいたいから、すこしづつ掲載したい。

昨日から何も食べていないので、夜遅くコンビニでサンドイッチを買って食べた。
不意に涙がこみ上げる。
これから私は、いったい何回ひとりで食事をするのだろう。

そして今日は火葬。
やはり、骨になった夫を直視できなかった。

やっとの思いで帰って来て、真っ先に夫の手紙を探した。

見つかった。