休眠クリニックのスタンス| 5月1日

今日は、前回、白血球がやや減少した為にノイトロジンを打ったので、
その効果を確認するための診察日だった。
白血球は問題なく上昇、
その他も特に気になるところは、
コレステロールや中性脂肪を除いてはなかった。
問題は、次のアリムタ+アバスチンだが、
院長は、丁度三週間後が祭日になるので、
一週間遅らせて13日にもう一度、
このレジメンを遂行する事に何ら疑問を持っていないようであった。
効果判定は5月末にPETと腫瘍マーカーで行うつもりであるらしい。
少し迷いのある顔の私に
「ゆっくり過ぎると感じられますか?」と言われたが、
最近の私は、院長の考え方に満足しつつあって、
「いえいえ、それで結構です」とすんなり返答している。
どんどん、検査を入れて、細かく病態を把握して神経質になればなるほど、
余計な事も考えるし、治療の方向性が蛇行運転になって、
逆に正当な方向を見失ってしまいますからね、と言われる。
そして、こういう一見、曖昧そうで、実は患者に優しい治療の仕方は、
何をおいても、夫のスタンスに妙に合致するようで、穏やかに通院している。
大阪府立成人病センターでの治療は、
一分の隙も無さそうな、ややもすると治したげるよ、的なニュアンスでありながらも、
ふたを開ければ、実は病院のガイドラインに忠実なだけで、
患者に対して思いやりのある治療体制では決してない。
老齢の患者の中には、
末期のがんが治ると思って治療を受けている人も少なからず存在するだろう。
夫はいつも、大阪府立成人病センターを出ると、
「何か、病気を治したるねんで、と言わんばかりやね」とよく言っていた。
確かに、末期がんに羅漢した患者に対して、
いったい医師たちは、何をより所に日々の仕事を全うしようとしているのか、
今だにさっぱり分らない。
自分自身でも患者を治すのだ、と錯覚を起こして
ガン拠点病院としての独特のマインドコントロールをしているのかな、 とすら思ってしまう。
医者が病気を治せなくて、患者の気持ちにも寄り添わなくて、
どうして自分の医師としての立場にプライドを持てるのだろう。
そういう状況下で、標準治療という名目の下に、
標準的に副作用を受けてたまるか、という思いが強かったので、
私は、常に緊張感を持って薬剤の選択を素人なりに行ってきた。
そこには、ゆとりのかけらも無く、
根拠となる知識も皆無に等しい中で、
鬱病を併発している夫をバックアップする私の立場も結構過酷なものだった。
しかし、休眠クリニックの院長と出会って、
多くは語らないが、患者の疑問や不安に的確に答えようとする姿勢や、
患者が言わんとする事を理解しようとする、大きな病院には無い一種の包容力が、
少しづつ解って来たように感じる。
従って、私の気持ちも楽になった。
そして、うつ傾向がますます加速する夫を何とかしなければならない時期に来ている。
いずれお世話になる大阪市立総合医療センターの
精神科の部長宛に紹介状を書いて頂いたので、
近々、予約を取って行こうと思っている。
また、新たな有能な医師との出会いによって、
夫の日々の生活が、少しでも良い方向へ導かれる事を願っている。