生きがい | 11月21日

元気な頃の夫の生きがいは、言うまでも無く仕事であった。
世の中に新しい情報が出現すると、
自分の仕事にプラスになるであろう項目の全てに
自分の持てる力を注ぎ込み、日夜奔走していた。
しかし、今となっては携帯電話すら旧型のままで、
入って来る新情報の全てをシャットアウトしている。
そんな状況を見ていて
「生きがい」について考えてみる。
夫には嗜好品が存在する。
お酒、タバコ、そして酒好きのために食通とも言え、
贅沢が許されるなら食べたい物は数多く存在する。
治療を続けていると、その嗜好品をも規制が強いられる。
2年間キッパリ止めていたタバコも
2ヶ月ほど前から再開している。
お酒の量も増えて来た。
傍で見ている私は
好きな物が結構あってよかったな、と思っている。
私はお酒は一滴も受け付けず、
タバコも臭いを嗅ぐだけで吐き気がするし、
特に食べたいと欲求するものもなく、
これと言ってしたい事もない。
これだけつまらない人間が夫を見ていて、
とてもそれを阻止する気にはならない。
つかの間の安らぎや幸福感を味わえるなら、
出来るだけ楽しめればいいな、と思っている。
今までストイックに仕事にのみ神経を注いで来た分、
怠惰な欲求にのみ気持ちを奪われる安堵感を
少しでも味わってもらいたいと思う。
クリスマスやお正月は私達二人には無用の存在だったけれど、
今年は初めて世間並みに慣例として受け入れ、
二人だけで私達なりの小さな至福の時間を過ごせれば、と思っている。