私の覚悟 | 10月7日

夫は元来、非情にアクティブでパワフルで、
かつストイックな人である。
その凄まじいイキザマをずっと見てきた私は
今、抜け殻のようになってしまった夫の受け止め方に
正直戸惑っている。
将来の無い人間が
今までのように仕事の計画を続行する訳にもいかず、
何もかも奪われた辛さに
早く人生を終わらせたいと時々、口にするようになって来た。
夫の仕事の規模や内容から考えても
今だけを短期に捉えるやり方は不可能である。
24時間、仕事のために頭を働かせ、
遊びに時間を費やすことも一切なく、
若い頃から突っ走って来た人が
突然ストップをかけられて二年を経過したが、
もう限界なのかもしれない。
夫が生きる証は私との生活を続けることでも
遊びや趣味に興じることでもなく
一生の仕事に肉体も精神も燃焼させることだった。
そんな人が計り知れない空虚感に
心身共に持て余している様子は本当に見るに忍びない。
もはや、私のハンパな励ましや慰めの出る幕は無い。
肉体的な苦痛がなく、
出来る限り長く延命する為の行為も
夫には、あまり意味のあるものではないようで
少しのキッカケで治療を止めると言い出し兼ねない。
大阪府立成人病センターに通う回数ですら キッカケの一つになる。
このキッカケを出来るだけ遠ざける方向で
治療を模索するのは限界があるけれど、
体は健常者と変わらないくらい元気な状況下で、
無治療にするのは
私の中では未だ飛躍した選択に思える。
どうも夫が待っているキッカケは
私の覚悟のような気がする。