がん細胞の七変化 | 9月29日

がん患者は、自分がガンであることが分った段階で
遺伝子の型の特定をするためにガン組織の一部を採取するという
二度とやりたくない検査をする事になる。
そして、この検査は患者の体に存在する癌細胞が全て同じで、
変わらない事を前提として行われているものである。
しかし、二度とやりたくないほど苦痛を伴う検査であるにも関わらず
当の癌細胞は刻々と変化をし続け、もはや最初の細胞診は、
現段階での病態を把握するには、
かなり乖離したものとなっていると言わざるを得ない。
従って原発巣に有効な薬剤も
転移巣には全く効力を発揮しないという場合も多い。
それが分っているにも関わらず
七変化するがん細胞の特定は行われていないのが現状である。
EGFR遺伝子変異が見つかっても
ALK遺伝子が見つかっても
癌組織は常に遺伝子を組み替えてしまい
住み易い環境へと適応を続け、やがて耐性になる。
であるなら、最初に全く効かなかった抗がん剤も
時間が経過すると効力を発揮するという事も有り得る。
こんな複雑怪奇で頑強な敵を相手に
現代の医療機関での治療姿勢はあまりにもお粗末な気がする。
「やってみないと分らない」という事で
人体実験を繰り返すような抗がん剤治療を
もう少し才覚が感じられるものに変貌を遂げる事は不可能なのだろうか。
大阪府立成人病センターでは
研究所も併設されており血液検査だけで
遺伝子の型を特定する方法を研究されているようだが、
研究段階というのは実用化には気が遠くなるほどの時間を要する。
あらゆる産業が急速に進化を遂げ、
信じられない領域にまで踏み込んでいる昨今、
末期がんに対する延命治療も
確立されたものでなくてもいいから当たりかハズレかより、
せめて今の時代に見合ったもう少しマシな治療体系が無いものなのだろうか、
と思わずにいられない。
臨床の現場で次々に訪れる患者を診察する医師たちを見ていると、
何かマニュアルどうりに元気良く働くマクドナルドの店員を思い出すのは
私だけかな。