イレッサ、タルセバ耐性

分子標的薬の登場で抗がん剤に対する概念が変わった。一日たった一錠飲むだけで今までの生活を取り戻せるなんて10年前には考えられなかった。主人も去年、大阪府立成人病センターでEGFR遺伝子検査が陽性であった事から、ファーストラインの治療を従来の抗がん剤から始めるか分子標的薬にするかの選択を迫られた。もちろんイレッサを選んだが、おかげでこの一年、大して日々の生活に制限を受けること無く過ごすことが出来た。しかし、この恩恵も半年から一年で耐性が出現し、消滅する。これが克服できれば、正に夢の新薬となるだろう。現在、様々な機関で、耐性を阻害する薬剤の研究が進んでいるが、その中でがん領域での強固な地位を確立しているヤクルトが可逆的なチロシンキナーゼ阻害剤であるエルロチニブやゲフィチニブ耐性の非小細胞肺がんに対する開発を当面の目標と掲げるPR509と言う薬剤の研究を進めている。イレッサ、タルセバの薬剤耐性を克服する為の研究は、今後も多くの機関で遂行される事になるプログラムであり、これが実現化すると末期の肺がん患者のOSは大きく塗り替えられるだろう。